「ゴッドファーザー」

一本目。「ゴッドファーザー」について。

先日、仕事の手が止まり何気なく深夜に見始めた「ゴッドファーザー」のお陰で、すっかり朝になってしまった。

初作はやや助長なので、続編の方が好きなのだが、久しぶりにあらためて見直すと、とにかく目を引き続ける。

3時間止まらなくなるのは、やはり作品力があるからだ。

松本人志が本作を「完璧な作品」と言ってたことがあるが、見ながらその言葉がよぎったほど、ともかく映画らしい映画だと思う。

編集についてはプロデューサーと揉めに揉め裁判沙汰にも発展したらしいが、そのお陰で結果、内容が凝縮し得たんではないかと僕は思っている。

撮影監督ゴードン・ウィリスのゴールデンアンバー調のダウンライトの発明を始め、ディーン・タヴォウラリスの美術、フェデリコ・フェリーニとの共作も多い、印象深いテーマ曲、音楽ニーノ・ロータ。

イタリアマフィアの強面な役どころが多い中で、自然な感情の動きを実現している俳優たち。

そしてやはり、コッポラ監督の明暗を交互に描く演出が、広い観客層にも希求なし得ている。

この作品が生まれる背景には大手映画会社の停滞、そしてロジャー・コーマンの低予算体制が若手のスタッフ・キャストを育ていた流れもある。

初公開から今年50周年。未だに人々が見続けている。

時折、脈絡なく、どこかのシーンを思い返す。

長く記憶に残る、まさに王道の映画、でした。

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